第1回:陸上自衛隊の小銃(その1)

 

 

記念すべき第1回は、自衛隊(自衛官)にとって最も基本的な武器、また自衛官以外でもSVGをやるうえでも欠く事のできないアイテムである“小銃”を取り上げます。
“小銃”って言うとなんか堅いですね(^_^;) でも平たく言ってしまえば“ライフル”=“鉄砲”のことです。難しく考えず、気楽に読んでください。

小銃は制服を着る自衛官にとって、任務を達成するため、また身を守るための重要な道具であり、常に大切に扱うことを求められます。手入れはもちろんのこと、訓練などで使用する際も時には重たくて自分をただ苦しめるだけの道具にしか思えないことも多々あるのですが…(-_-;)
でも、私が現役時代、一番強く思い出として残っているのは、やはりはじめての「武器授与式」でした。訓練で使いこまれ、結構傷だらけの銃でしたが、オモチャではない本物の力強さ、そしてこれを扱うことの意味、責任を実感させられたものでした(ちょっと大袈裟かな)。当時の小銃は「64式」。私は3年間、この“鉄砲”とお付き合いさせていただきました(^o^)

とりあえず今回は自衛隊の代表的な小銃について、簡単にですが紹介します。
 

 

 

 

64式7.62mm小銃

戦後はじめて、自衛隊用の自動小銃として豊和工業にて開発・生産された国産の小銃。1964年に正式採用されました。NATO弾(NATO軍の標準弾薬)7.62mm口径の小銃としては非常にコンパクトかつ軽量であり、当時としては先進的であった完全直銃床(銃身の軸線と銃床の軸線が一直線になったもの)の採用、また発射薬を通常のNATO弾より10%減らした弾薬の採用など、いわゆる“突撃銃”としての性格を非常に意識した銃です。軍用銃としては精度の高い照準具がついており、銃身の精度とあわせ、命中精度には高いものがあり、その意味では、非常に多目的に使用できる小銃です。
ただし、部品点数がやや多いところが難点。他にも難点を上げる方もいますが、私が一番感じたところはこの点でしょうか。まあ、どんな銃でも何らかの問題点を抱えていますので、そう言う意味では“優秀な銃”といっても良いのではと私は考えます(^_^;)

全長は990mm、重量4.3kg、装弾数は20発。単発(セミオート)、連発(フルオート)の射撃が出来ます。

トイガンの世界では、ホビーフィックスから無発火のモデル、TOPから電動エアガンが発売されています。外観で言うとホビーフィックスの方が圧倒的にGOOD! でも高いです…(20万円近い)。TOPのものもそれなりに雰囲気を再現しているのですが、“モナカ”の張り合わせや、他にもバッテリー収納のために太くなった銃床の形状などになんとなく違和感を感じています。何とかならないものかと思案中です。

●私の所有するトイガン“64式7.62mm小銃”(TOP製…でも中身はマルイのユニット!

 

 

89式5.56mm小銃

1989年に正式採用された国産第2弾の小銃。開発・製造は64式と同じ豊和工業。5.56mm口径の弾薬(89式実包…NATO標準SS109に準拠)を採用し、銃の大幅な小型化、軽量化を達成。部品点数も64式に比べてかなり少なくなっています。機能的には単発、連発に加え、3発制限点射(3ショットバースト)機能が付加され、またそれらの機能を切り替える「切換えレバー」の操作性が64式に比べ格段と向上したこともあり、より使いやすい小銃になったと言えるでしょう。
外観的な特徴としては64式に引き続き、“2脚”を標準装備したこと(ただし、64式と違い脱着可能なものですが)。これは自衛隊独特の小銃運用思想(連発射撃時の命中精度重視、陣地戦闘時の安定した射撃精度の発揮)に大きな影響を受けた結果と思われます。
命中精度が極めて高く、使いやすさと相まって64式に比べ概ね隊員の評価は非常に良いようです。しかし、いかんせんその値段の高さ(1丁約30万円…米軍のM16A1の10倍とも言われている)のため配備がなかなか進まないようです。採用から15年以上が経過しているのにも関わらず、後方職種の部隊を中心に依然大量の64式が使用され続けています(-_-;)

全長は917mm、重量3.5kg、装弾数は20発または30発。

トイガンでは、キャロットが数年前にマルイの電動ガンユニットを組み込める“89式風外観キット(商品名:アサルトライフルキット)”を発売。現在、同じメーカーから完全リメイクされたものが発売されています。
以前発売されていたものは、あくまでも“89式風”のものであり、ディティールは細部において結構実物との差異があるのですが、現在発売されているものは全体のディティール、雰囲気を良く再現していて、実物と見間違えるほど良くできています(^_^)

●私の所有するトイガン“89式5.56mm小銃”(キャロット製…現在発売されているもの。照準眼鏡は通常使いません)

 

 

次回は「陸上自衛隊の小銃(その2)」。私の現役時代の思い出を中心にご紹介する予定です。

予定はあくまでも予定。気まぐれで突然変更することもありますので、その辺はご容赦を(^_^;)

2000.2.26up
2004.2.15加筆修正

 

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