[普通科]小銃班小銃手(陸曹)〜防弾チョッキ着用

某普通科連隊の第4中隊(通称「No.中隊」)に所属する3等陸曹(仮定)。班の中核となる「小銃手」として、時に組長として若い陸士の班員をリードする。部隊は山間地における対遊撃行動を命じられ、これより潜伏した敵ゲリラの掃討にあたる。

 

戦闘装備を身につけた状態の小銃手。

一般に「新迷彩」と呼ばれる戦闘服を着用。89式5.56mm小銃を携行しています。

頭には88式鉄帽、靴は戦闘靴。装具類も、ほぼ最新のもの(「戦闘装着セット」または「2形装具」と呼ばれるもの)を装着。
対遊撃行動ということで、顔のフェイスペイントは部隊でその日に定められたパターンを塗り、あわせて戦闘防弾チョッキを着用しています。

正面及び背面

戦闘防弾チョッキ自体に89式小銃用弾入れや小物入れ等の機能があるため、腰に巻かれた弾帯には、それほど多くの装具は取り付けられていません。89式小銃装備の部隊では、弾帯・吊りバンドの上から防弾チョッキを着用することが多いようです。
左大腿部にあるOD色の大型の袋は、「防護マスク4形」の携行袋。太い負い紐をウエストに巻き、細い紐を大腿部に巻いて固定します。

背面には腰の弾帯(ピストルベルト)に携帯シャベルと水筒が取り付けられていることが分かります。

64式7.62mm小銃装備の部隊では、戦闘防弾チョッキの上に弾帯・吊りバンド、各種装具を取り付けるケースが多いようです。

 

左右側面

左右側面の画像。脇に抱えているのは89式5.56mm小銃。

首は完全に隠れ、首の防護高(襟の高さ)が高い、戦闘防弾チョッキの特徴がわかります。

手袋は迷彩柄の私物品皮手です。

正面の装具取り付け状況

戦闘防弾チョッキの左右非対称な肩あての形状が印象的。左胸に小物等を収納するポケット、胴回り正面に89式小銃30発弾倉用の弾入れポケットが4つ配されています。弾入れは外側の2つが各2本用、内側のものが各1本用で、合計で6本180発の容量があります。

弾帯には向かって右から、
    「救急品袋 迷彩2形」
    「銃剣」
が取りつけられています。

左大腿部には防護マスク(携行袋)を装着しています。

体への各種装具の装着は「防護マスク」→「弾帯・吊りバンド」→「戦闘防弾チョッキ」の順に行います。

 

 

 

 

 

背面の装具取り付け状況

左大腿部の防護マスクの大きさがよくわかります。

弾帯上、向かって左から
    「携帯シャベル」
    「水筒」

弾帯と吊りバンドは極めてゆるい状態で装着されていて、戦闘防弾チョッキの裾で携帯シャベルと水筒は、かなり下の位置に押し下げられています。
本来、携帯シャベルや水筒などは、チョッキ背面下部にあるループに取り付けられる設計ですが、実際に取り付けられることは少ない模様。

左右側面の装具取り付け状況

左側面の状況(写真左)
左大腿部に防護マスク、背中・弾帯上に携帯シャベル。戦闘防弾チョッキの背面部裾で、弾帯が下に押し下げられている様子がわかります。

右側面の状況(写真右)
弾帯上、向かって右から
    「銃剣」
    「弾入れ89式小銃30連(大)」
    「水筒」

弾帯上の「弾入れ」は、事実上「カラ」。戦闘防弾チョッキ着用の際は、水筒と携帯シャベルがチョッキの外側にでるように注意します。

 

 

 

 

本来の防護マスク携行法

防護マスクの左大腿部への取り付けは、本来、携行袋が想定していた装着法ではなく、行動中に不用意にフタが開いてしまうことがありえます。そのため、山間地行動では左胸〜左脇に装着するという本来の方法で携行するケースも多く見られます。

なお左大腿部に装着する際は、フタが不用意に開かないよう、黒いゴムバンドを携行袋に巻いたりしているケースが多いようです。

また、フタが上を向くようにして、左腰部に装着するケースもあります。

    

ワンポイントアドバイス(1)〜鉄帽のかぶり方

鉄帽は、つばの線が概ね目線と同じ高さとなるよう、目深(まぶか)にかぶります。
内装のハンモックは、耳が半分〜2/3程度隠れるくらいの深さに調節し、あご紐はしっかりと締めます(写真上)。

最近のCQB訓練の教訓などもあり、あご紐は緩み防止のため、写真(中・下)のような“端末処理”をすることを推奨しているところが多いようです。中にはマジックテープをあご紐に取り付けて、緩みを防止しているケースも見受けられます。

 

ワンポイントアドバイス(2)〜吊りバンドの“端末処理”

吊りバンドを使用すると、いつの間にか金具で調整したサイズが、当初のセッティングからずれてしまうことがあります。またセッティング後の余った紐が引っ掛かったりして、行動に悪影響を与える可能性もあります。そのため、調節などで余った紐を写真(右)のように纏め“端末処理”をします。
これを行うことで、それらの問題は解決できます。

“端末処理”は吊りバンドに限らず、様々な装具品で習慣的に行われます。

 

 

 

 

 

 

しゃがんだ状態で警戒する小銃手。銃には安全装置がかけられているが、即座に射撃できるよう、右手親指が切り替えレバーにかけられている。

 

 

 

 

 

model: H-SDF

 

最終更新:2004.2.2

 

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※このページの情報はマスコミ等において公表されたもの、一般に公開状態となったものをまとめたものです。防衛上の機密に関する情報は一切扱っていません。

※89式小銃はキャロット製、88式鉄帽・戦闘防弾チョッキは複製品、銃剣は類似代用品を使用しています。なお銃剣の装着は、サバイバルゲームにおいては危険ですので止めましょう。

※その他使用した装具等は全て一般のミリタリーショップ等で購入したものです。防護マスク4形携行袋の中身は、残念ながら入っていませんm(_ _)m

※階級章・徽章・ネーム等は一部画像処理を施してあります。